先日のスパーリングで自分がいかに弱くなったのかを痛感させられました。

皆様も毎日毎日
『ボディが打たれ弱くなった』
とか
『来月までにスタミナを強化しなければ』
なんて課題がありましょうや。

そんな枝葉のことはさておき、わたくしがもっとも恐れるのは、最近の全日本上位入賞選手の動きがとりわけ立体的なこと。

足を止めて、狭いスペースで打ち合うだけなら、九州の選手も中央の選手に別にそれほど負けてはいないと思うのです。

しかし、なんと言いましょうか、我々はまだ三次元世界に住んでいるようです。
その進化の袋小路に突き当たった三次元の技術をいくら煮詰めても、もういくらもダシは出ない。
同じ場所をぐるぐる廻っているだけじゃ劇的変化は訪れません。

三次元とか四次元という例えは悪いかも知れませんが、三次元の組手の10を極めた選手でも、おそらく四次元の組手の修得レベル3程度の選手には、もはや勝てない。

それは士気揚々の旧幕府軍の士族達が、付け焼き刃で戦争の仕方を教えられた農民達で構成される新政府軍に、わずか数日で完膚なきまで叩きのめされるような、そんな雰囲気です。

じゃあ四次元の組手って何なの?と訊かれても、わたくしもよくわかりません。
低次元から高次元を説明できないのは当たり前。せいぜい立体的、とでも言っときましょうか。

でも、何かひとつでもいい。
それぞれが自分の立体的変化パターンを発見して活用していかないと、ちょっと生き残れないような、そんな時代の過渡期に来ているような気がするのです。

『確かにアイツは強いけど、フォームがバラバラ』
的な選手がなぜか選手権の上位にいます。

今までの経験上、あんなスタイルで強い奴はいなかった。
だからといって弱いのかと言えば、現実に誰も彼を止められる選手がいなかったりするからおもしろい。

『あいつは軸がぶれている』
『ガードが下がっている』
なんて偉そうに批判しているくせに、いざ対戦してみると、なぜかコテンパンに負けてしまう。

今までの戦いの常識が通らないのです。


なぜか。


たぶんそれこそ、彼は次元が上がってしまったのだ。

低次元の世界で重要視されていた要素は、必ずしも高次元の世界で重要視されるわけではない。
では、高次元の世界では何が重要なのかを説明できる教科書は、たぶんまだそんなにたくさんはない。

今の強い選手は、システム化された従来のマニュアルに則って戦っているのではなく、言語に依らない自分独自の身体思考で戦っているのでしょう。


ニュータイプですよ。

おととし、F王子が何かのテレビ番組の中で言っていた。

『僕は、本気で飛びたいと思っていれば、いつか必ず飛べるようになると思うんですよ』。

確かに動物は、自分のカラダのここがこうだったら良いのに、という強い種の意思で進化してきたのかもしれない。
もし、高い木々の実を食べたくて首を伸ばしてキリンが生き残ったのならば、いま空を飛んでいる動物は、他のどの種族よりも強く飛びたいと願った連中なのだ。
その馬鹿げた願いが数世代を超えて叶って、そして今、連中は実際に空を飛んでいる。


たぶん、勝ちたいという気持ちが一番強いヤツが勝つ。
そんなふうにできています。


だから皆様、どうやったら勝てるかを本気で考えましょう。