わたくしの高校生時分には、趣味の欄には、たとえ誰でもとにかく『音楽鑑賞』と書かなければ人間として認めてもらえないのではないかと錯覚するほど音楽ブームでした。

どんな音楽を聴いてるの?と聞かれたら、こんなアーティストの◯◯とか、あと◯◯なんかも好き、とか200字程度で簡潔に即答できなければならなかった。
こんな風潮だったから、ひとつでも楽器を扱える奴はもはや神でした。


わたくし。


楽器?

なんもできませんよ。

いちお好きなアーティストぐらいはいましたが、このジャンルはもう宿命的に縁のない場所だったような、そんな疎外感がありました。

要するに、みずから音楽に対して勝手に心理的な壁を作り上げていたように思います。

さて。もう数日前の話ですが、わたくしの地元小城市にてアカペラのコンテストが、かれこれもう10回も開催されています。
地元とはいえ、Facebookを始めとするソーシャルネットワークのおかげで、初めてこのアカペラコンテストの存在を知りました。
このコンテストの実行委員に、わたくしの愚痴を普段からよく聞いてくれる音成くんが関わっていたので、軽い気持ちで行ってきました。


そしたら、もう、のっけから涙!

なんでしょう。心を揺さぶられたというか、なんというか。

入場料は500円です。
500円でこんなに感動させてくれるんならお安い。
また、コンテストだから、出場者の個性も楽しい。
アカペラって、数年前にテレビでよく取り上げられて、やっぱ若い出場者ばかりなのです。
久しぶりに若者をうらやましいと思いました。ああ、大学生に戻って、こんな人生を送ってみたいな、って。


続いて、日本フィルでバイオリンをなさっている佐々木さんという方の演奏が一時間ちょっとありました。
佐々木さんは、誰しも一度は耳にしたことのあるだろう有名な曲ばかりを選んでくださっていて、たいへんありがたかった。

素人にとって、知らない曲をひたすら聞き続けるのって、けっこう苦痛です。

佐々木さんは、その有名な曲を、わざと難しく弾いてみせたり、その、とにかくすごい技術をみせてくれました。

佐々木さん曰く
『みなさんは僕達に対して、遊びみたいなことを毎日やってるとお思いでしょうが、でも、これが僕達にとっての修行なんです』。

『僕は音楽という仕事を、いや、仕事と言いたくないんですけど、音楽をやることって、神主や僧侶と同じようなものだと理解してます』。


ちょっと話は変わりますが最近、辻伊佐夫さんという一風変わった方と、よくつるんでいます。

その辻さんという方と別件でお話しているときに、ひょんな流れから音楽の話になりました。
わたくしは、このアカペラコンテストの若者やバイオリニストの話をするわけです。

嫁もいました。アカペラコンテストには嫁も一緒に行きましたから、2人でそれぞれの感想を辻さんに語りまくったわけです。

意外に面白かったのが、嫁もわたくしも同じように感動していたつもりが、それぞれ感動していたポイントがまるっきり違っていたこと。


わたくしが、この感動的な音楽を聴きながら何を考えていたかというと、佐々木さんのバイオリンを弾く手つき、楽譜を見ずに弾くその脳への刻み方など、これらの技術はいったいどれほどの時間を掛けて、どれだけの反復があっての現在なのだろうと。
我々は廉価でオーケストラのCDを手にして、その時間と努力の頂点の部分を、安易に手にすることができます。
ところが、あまりにも簡単にその音楽を手にすることができるために、その音楽を作り出す人々の、信じられないくらいの努力量を想像できなくなってしまってるなぁ、と思ったのです。

それと同時に考えたのは、どれほど音楽の技術を高めたところで、その努力は単純に収入に結び付かないということです。

それなのに音楽家は無限なる努力を重ねる。

この裏には、音楽を理解してくれる第三者が相当数いないと成り立たない。

バイオリンそのものが高い。
授業料なんてもっと高い。
授業以外で努力している時間には、もはや値段がつけられない。

そんな積み重ねの上にある高貴な部分だけを、我々は見聞する。

佐々木さんは、わざと複雑に編曲して弾くんです。たとえば一番(っていって良いのか)は普通、二番は明るく早く、三番はゆるやかにきらびやかに、四番は、それこそ極めてゴージャスに。
それを、
『そんなんわざわざ難しく弾かんでも、普通でええやん』
と言われたら元も子もない。
まして、みんながカネを稼ぐことに必死になりすぎて、徹底的な合理化思考になってしまえば、音楽そのものがいらなくなってしまう世の中になる。

バイオリンを作る技術も紹介していただいた。それも材質のこだわりから産地のこだわりから、もちろんメンテナンスの複雑さからすごかった。
バイオリンを演奏する技術は言わずもがな。

全て、これを理解する人あってこその、非常に脆い道です。

わたくしが痛感したのは、生活全てを音楽に捧げて生きていく人がいるっていうのは、それを理解し、支えてくれる多くの人がいるという目に見えない部分に気づかされたということです。


『はぁ?先生そんなこと考えながら聴いてたんですか?』
って嫁に批判的に驚かれました。

でも、辻さんは強く共感してくれました。

辻さん曰く、音楽などの芸術が今の姿を見せるまでの道程というのは、気の遠くなるほどの時間の上に成り立つもので、これを人々が守っていこうとしないとすぐに壊れてしまう危険なものだ、と。しかも、いったん壊れてしまえば、もはや同じような姿を取り戻すことは不可能な、そんな奇跡を、今我々は手にしているということに感謝しなければならないのだ、とおっしゃった。

ま、音楽だけに限りません。
どんな業界もそう。

でも、音楽というのは、愛する人が途切れることなくいたおかげで、とびきり成熟した技術と心へと、人類史上最も進化した分野なのかもしれない。

ということは、今音楽をやってる人は幸せだ。

ということは、音楽に壁を勝手に作って近づかなかった人生を送ってきたわたくしは、ほんのりとした人生の後悔と、音楽を人々に提供できる人に対する羨ましさと、そんな微妙なコンプレックスというか、複雑な感情を覚えてしまうのです。


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