前回からの続きです。

『セブンイレブンによると恵方巻きは「古くは四季の変わり目である『節分』ごとに食べていた」ものだという』
というマイナビニュースの記事の一文が許せなくて、という話ですが。

わたくしがセブンイレブンを許せない理由は、風習や歴史を背景にした説得力ほしさに、自分が商品を売りたいあまり、事実無根の歴史を捏造したこと。

そして、わたくしがセブンイレブンの談話を捏造であると否定する理由は、本来、歳徳神の廻座する恵方に対し、年頭に家族でお迎えのご挨拶をする主旨なのに、季節ごとに別にどこにも移動してない歳徳神にいちいち挨拶することはない、と考えるからです。

また、恵方巻きが極めて限られた地域の特殊な風習であり、そして子供に太巻きを完食させるためにその日の食事を抜いたり、家族全員が一同に揃うために塾を早退させるほどに厳格な行事だったこと。
つまりこの行事は、それほど簡単にやり方や日にちを変えたりしていないのではないかと思われます。


で、苦情でも言ってやろうと、セブンイレブンの公式サイトや関連サイトを調べたのですが、どこを探してもそのような文言は見つからず、かわりに、こんな記事を2つ発見しました。
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〇嵯丱咼献優
【セブンイレブンが「夏の恵方巻」を初めて発売 8月4−6日】2013.7.2 17:59
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130702/bsd1307021800009-n1.htm


『セブン−イレブン・ジャパンが今年初めて売り出す「夏の恵方巻」

 セブン−イレブン・ジャパンは2日、節分の日に食べる巻きずしとして定着してきた「恵方巻」の夏向け商品である「夏の恵方巻」(280−390円、3種)を8月4−6日に全国で発売すると発表した。

 「節分」は2月の立春の前日だけでなく、立夏の前日など年に4回ある。同社は平成10年以降、春の節分に合わせ恵方巻を販売してきたが、初の試みとして、立秋(8月7日)の前に「夏」商品を売り出すことにした。

 井阪隆一社長は「新しい試みを次々打ち出し、夏の消費を刺激したい」とし、初年度は100万本の販売を目指す考えを示した。

 発表会には、CMに出演する関ジャニ∞が登場。渋谷すばるさんは「美味しいので、自然に無言で一気に食べてしまう」と試食の感想を話した。

 今夏は、ローソンとサークルKサンクスも恵方巻を売り出す予定』

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▲札屮鵐ぅ譽屮鷂式ページ【セブンイレブンまるわかり豆知識】
http://www.sej.co.jp/products/trivia/trivia_05.html

今では、どこでも見られる恵方巻ですが…。
事の始まりは1989年、広島県のセブン-イレブンより。――その当時、関西の風習としてあった「節分の日にその年の縁起のいい方角(恵方)を向いて無言で太巻き寿司をまるかぶりする」という情報にもとづいて恵方巻を一部の店舗で販売したのが始まりです。『縁起のいい風習』としてお店で紹介しながら、翌年より販売エリアが広がり、95年には関西以西の地区に、そして98年には全国のセブン-イレブンで恵方巻を販売するようになりました。
こうして一部地域の食文化が全国へと広がり、今ではすっかり節分の定番のお寿司として定着しました。ちなみに、巻き寿司というスタイルは「福を巻き込む」という願いからきており、切らずに食べるのは「縁を切らない」という理由があるそうです。このようなことから、恵方巻は別名を「まるかぶり寿司」とも言われてます。
恵方巻をまるかぶりして、福を巻き込みましょう!

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ちょっと、どう思います?

(セブンイレブンの)“社長は「新しい試みを次々打ち出し、夏の消費を刺激したい」と”はっきり言ってるんですよね。
しかも、公式サイトに「広島の一部の店舗で販売したのが始まり」って起源?も明記してあります。

何か、セブンイレブンの言質を取ってやろうと探し始めたのですが、それは全く出てこず、代わりにこのマイナビニュースの記事に対する読者のボロクソの(当然セブンイレブンに対しての)レスポンスが大量に出てきました。


『何かもう必死やな』

『いつの節分で定着したんだよ』

『月一恵方巻きの日創ればいいじゃん』

『もうこういうのやめてくれないかな
気持ち悪いから』

『セブンは文化捏造まで始めたのか』

『ブームを何とか作りたいっていう気持ちは分かるが
こういうことをするのが昔からの日本の風習です
みたいな空気が物凄く気持ち悪いです・・・』



なんか、濡れ衣というか、可哀想になってきた。

その1でも書きましたが、当初、わたくしはセブンイレブンに対して怒りが込み上げていました。
ところがセブンイレブンは公式に『夏の消費を刺激するための新しい試み』と明言しているわけです。


こうなるとマイナビニュースの罪は重い。

セブンイレブンが言ってないことを言ったと、飛躍して記事を仕立て上げたこと。
それと、間違った日本文化の認識を拡散させてしまったことが実に罪深い。


販売促進のためのネオ・トラディショナルという考え方なら、夏の恵方巻きも『あり』だと思うのです。あと10年も頑張って続けてたら全国に定着するでしょう。
社長じきじきに潔く、新しく夏にも恵方巻きを関連づけてみました、と言えば、時代はうつろうものですから、それはそれで構わない。

ただ、商戦を仕掛けた企業には、そこに至った正しい経過を明確にしてほしい。

山村を潰してダムをを建てておきながら、
『ここは昔から人が住んでいなかった』
なんて歴史捏造することが許されないのと同じように、文化の流れを大きく変えたのだから、それは日本に対する企業の責任、義務だと思います。


ちなみに大阪の太巻きとは、要するに巻き寿司の切ってないやつを指します。
あれを食うのは大変ですが、コンビニサイズは実に手頃。
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試みに買ってみましたよ。
これがまた食べやすくておいしかった。

ただ、感情的には夏の恵方巻きには賛成したくはない、といったところです。