人生で初めて、落語を聴きに行きました。

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これがまた衝撃的に良かった。
落語のことは知識としては知っているけれども、実際に会場に足を運んで、その空間に身を置いて聴いてみたらイメージとは全然違いました。

きっかけは数年前に知り合った居合の先生にお誘いいただいたからだったのですが、日曜日のお昼はどうしてもお寺の法務が立て込んでおりまして、14:00に福岡は間に合わない。
会場に遅刻して到着し、途中に扉を開けるのを遠慮して仲入り(休憩のこと?)までロビーで待つことに。

後半は桂春蝶さんから。
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なぜ落語家が洋服を着て、観客が着物を着ているのかは謎です。

わたくしは、ネット上で見かけた
『落語は、話が長く、最後まで聞かないと分からない点が、現代の笑いに合わない』
というような落語評論をなんとなく鵜呑みにしておりましたが、全然そんなことはない。
話のテンポも、言葉遣いも、全く飽きさせない。もちろん本論となる話があるのですが、その前後の話術はきわめて現代的で、複数人のトークではない1人話でここまで観客を惹きつける高いスキルがあることに驚かされました。

トリは柳家花緑さん。
この方の話の演題は『文七元結』。

もう、泣きっぱなしでした。

まさか落語で泣くなんて、と思いました。

これはカッコ悪いと思ったのですが、まわりにもけっこう泣いてる方がいらっしゃる。

とにかく登場人物に感情移入してしまう。

1時間くらいの長い長いお話でした。


終わって外に出て、余韻の中で文七元結を検索しましたら、

文七元結(ぶんしち もっとい)は、三遊亭圓朝の創作で、落語のうちの人情噺のひとつ。登場人物が多く、長い演目であり、情の中におかし味を持たせなくてはならないという理由から難しい一題とされ、逆にこれができれば一人前ともいわれる。

ほうほう。

さっそく自宅に戻って、YouTubeで文七元結の動画を観ました。

ちなみに約1時間強です。

それを3本観ました。
・古今亭志ん朝
・柳家喬太郎
・立川談志

いかにわたくしがこの話に熱狂しているかお分かりでしょう。

どの方の話も、それぞれに特徴があって素晴らしかった。
例えば談志さんは、親戚付き合いというのはどんな意味なのかを面白おかしく喩えを使って説明するところが良かったし、花緑さんは、文七が店の名前を思い出すシーン、べっ甲屋の主人がお祝いの酒を買い出しに行くシーンを省かれたりしていました。
他にも例を挙げればいろいろあります。


それでも柳家花緑さんの話が一番良かった。


それはもちろん、実際に会場でリアルタイムで聴くという臨場感効果もありましょうが、柳家花緑さんが一番良かったと言える理由は、登場人物の誰が今しゃべっているのかというコントラストが明確だったことです。
体の向き、顔の向き、表情、それに何より声色、トーンの違いがはっきりしていて、話の筋が何よりわかりやすかった。

だって、泣かされたのですよ。
それくらいの強い臨場感があったのです。

今回は落語でしたが、おそらく落語に限らずどんな業界でも、その道を極めた方のパフォーマンスを、実際に足を運んで、目で見て、耳で聞いて、しっかり体験する、ということは本当に素晴らしいものだなと思った次第です。